この記事の目次

  1. 業務効率化の対象を決める時に
  2. 業務効率化の手順①:自社の強み=利益を生み出しているポイントを再認識する
  3. 自分の業務に追われていると、自分の業務が見えなくなる。
  4. 業務効率化の手順②:業務の見える化と見直しを行う
    1. 1:業務の流れを洗い出す
    2. 2:見直す内容を書き出す
  5. 業務効率化の手順③:改善策を検討する手順
    1. ・人間が行う作業についての補足
  6. まとめ

業務効率化についての記事の4つ目です。タイトルにあるとおり、業務効率化に関しての記事としては4つ目ですが「最初」の手順について書きます。

 

考える事の多い議題なので、簡単に前回まで書いてきた内容の振り返りをします。(各記事へのリンクもつけておきますので、もし気になったら読んで見て下さい。)

 

1記事目:「働き方改革」の内容を理解すると、業務効率化はメリットのある作業だと理解出来る。

2記事目:業務効率化を行う業務の中で、ムリ・ムダ・ムラを見つける。

3記事目:実際に業務効率化を行う時に有効な6つの施策。

 

このような内容を書いてきました。次は実行可能な方法について書いて行くのが本来の流れかもしれません。このまま続けても1記事目を読んで頂いて、業務効率化をしなきゃいけないとなんとなく思い描いている場合、何も現実的な思考に繋がらないと思いました。なので、あえて業務効率化を行う時に最初にやる手順を今回書きます

 

もちろん、具体的に業務効率化すべき業務を思い描けている方にも見直してもらいたい内容でもあります。

 

業務効率化の対象を決める時に

 

業務効率化を行う業務は企業によって様々です。そして、それぞれに業務効率化をしなければならないと感じる作業があると思います。そのため、優先順位を設定して一つずつ実施し業務効率化を図りましょうと書いたのが前回です。

 

なぜならば1記事目で書いたとおり、業務効率化は労働生産性を上げることになり、会社に利益をもたらすからです。なので、実際に利益が出ている業務や、予定より結果が付いてこない業務を見直す方が、業務効率化を行った結果を見やすいでしょう。

 

他にも、明らかにムリ・ムダ・ムラを感じる業務があれば、残業代の削減といったコストカットを行う為に対象とする事を考えても良いです。ある意味、一番早く利益としての結果を出せる方法かもしれません。もちろん、業務内容や作業手順によって業務効率化に掛かる時間は変わるので、一概には言えませんが、選択肢としては有りです。

 

このようにまずは大雑把に考えて、会社としての業務全体から業務効率化を行った方が良い(優先順位の高い)業務を見つけます

 

 

業務効率化の手順①:自社の強み=利益を生み出しているポイントを再認識する

 

 

会社が従業員に指示する業務は大きく分けると、やってもらわなきゃいけない業務と、やってもらいたい業務に分けられます。やってもらわなきゃいけない業務=習慣化された業務、やってもらいたい業務=物的労働生産性と付加価値労働生産性(この2つの違いについては、業務効率化についての1記事目に書きましたのでご覧下さい。)のどちらかもしくは両方を上げる業務と簡単に言い換えて考えてみます。

 

習慣化された業務はやってもらわないと会社として困るけど、そこまで時間を掛けて欲しくない業務=残業してまでやること?という疑問が出てくる業務です。労働生産性を上げる業務は利益に直結するので習慣化された業務よりも重要度も優先度も上がってきます。ということは、会社としては習慣化された業務はサクッとこなしてもらい、労働生産性を上げる業務に時間を割いて欲しいと思うのが普通だと思います。

 

なので、1つ目の業務効率化の対象を決める指針は自社の強みを再認識することです。そうすれば、どの業務を効率化すれば労働生産性を上げる業務に時間を割く事ができるかを考える事が出来ます。

 

業務効率化を考える事において自社の強みを考えるときにまずは、自社の利益を生み出しているポイントについて考えます。その利益を生み出す流れについてです。商品・サービスの生産、流通、営業・販売といったように、大きな流れを考えます。そして、各部門について自社が優れている部分を見つけます。他社と比較しても構いません。生産体制が整っていて速いとか、自社流通なので融通がきくとか、個々の営業マンのスキルが高いとかですね。

 

そうすると、既に把握されていると思いますが、自社の売り上げの構成要素がはっきりします。さらに、構成要素の数値が変動する要因を明確にできます。つまり、業務効率化を検討する理由のある部門が見えてくるようになります。

 

なので自社の強みを考えることにより、利益を生み出す仕組みがさらに円滑に回るようにするための業務効率化を明確な理由・目的の元、行う事が出来ます

 

 

自分の業務に追われていると、自分の業務が見えなくなる。

 

 

業務効率化を行う目的・理由が明確にできたので、次は業務効率化を行う部門について細かく考えてみます。ムリ・ムダ・ムラを考える事に通じる事ですが、もう少し細かく説明します。何を観察するかというと、実際に業務をしている人間と生み出している利益または効果です。

 

その理由は、実行されている業務を分解することで、業務効率化できるポイントを明確にするためです。実際にムリ・ムダ・ムラがある場合、特定の人や業務に何かしらの負荷がかかっている事になります。作業量、作業に掛かっている時間、作業をしている時の動きなどのどこかにです。

 

その偏りが出る一つの理由としては、会社としてやってもらわなきゃいけない業務とやって欲しい業務について書きましたが、実際に業務にあたっている側は、この2つの業務をやらなきゃいけない業務としてひとくくりに考えている場合が見受けられます。業務自体の仕分けを業務を行う人間が出来ていないとそうなってしまいます。もちろん、ムリ・ムダ・ムラがある状況ではそうなってもしょうが無いとも言えますが。他にも、実際にその人にしか出来ない業務である場合や、物理的にそうせざるを得ない場合もあるとは思います。

 

良くも悪くも、やたら仕事が多いとか終わらないとか、そういう思いを持つようになります。しかも、すこし語弊があるかもしれませんが、「自分にしかできない仕事だ!」という思い込みを持って一人で抱えるようにもなります。第三者の視点からすると、その人じゃなくても良いんじゃ無いかと思えたり、会社側からすると本来やって欲しい業務では無かったりするのです。しかし、本人は「自分だけが忙しい」と思うようになって行きます。やがて労働生産性も下がります

 

それを回避するためには、業務効率化を進める側がしっかりと仕分けをし、内容を見直し、理解してもらうことが必要になります。これが2つ目の手順、業務の見える化と見直しを行う事です。これについては、具体的に書いてみようと思います。

 

 

業務効率化の手順②:業務の見える化と見直しを行う

 

手順①で明確になった業務効率化の対象に対して、そのまま業務効率化を進めてしまうと逆に効率が下がります。「時間が掛かりすぎてるな!早くしろ!」「〇〇さんの仕事を余裕がありそうな△△さんがやれ!」というような、業務を行う側からすると理不尽な指示を出してしまうからです。これは先に書いた、「理解してもらう」行為にはほど遠い指示です。それを避ける為に、業務の見える化と見直しを行います。業務を細分化して「〇〇だから△△する」という説明が出来る様にしていきます。

ここからは画像を見ながらお読み下さい。例として、営業マンが営業活動の効率を上げるために日報報告を改善する場合です。まずは手順を書きます。

 

1:業務の流れを洗い出す

 

 

まずは日報報告業務の始まりから終わりまでの流れを書きます。そして、その流れ毎に行う内容を書きます

 

 

2:見直す内容を書き出す

 

画像の赤字の部分です。実際に業務をやっている所をみたり思い返したりしながら行います。現状がどうなっているかを書き出し、理想はどうかを考えましょう。その時にムリ・ムダ・ムラについても一つずつ考えて行きます。

この時点で、理想とする流れがなんとなく頭の中にできあがってくると思います。実現すれば、どれくらいの時間が短縮される(効率化できる)かを見積もる事もできます。

 

 

どうでしょうか。実際に書き出してみることで、今まで当たり前だと思っていた業務内容のムリ・ムダ・ムラがどこにあるかを明確にすることができます。画像の例で言えば、「今後日報の提出方法はPDFにしよう。コピー機の混雑が時間のムダだし、紙は紛失の恐れもある。」と考える事ができます。また、検討する項目も上げる事で理想を実現するのに必要な機能や方法を考える必要がある部分を洗い出すことができます。

 

業務の見える化と見直しを行う事の目的はムリ・ムダ・ムラになってしまっているポイントを明確にすることです。それにより、具体的な改善案をピンポイントで考える事が可能となり、業務効率化を行うことに説得力を持たせる事が出来ます。また、見える化をする場合に、実際に書き出すことで頭も整理されるのでオススメです。

 

 

業務効率化の手順③:改善策を検討する手順

 

この手順③については前置き無く書いて行きます。やることは、「何」にやらせるかを決める事です。

 

手順②までで、検討するポイントも見つけられています。どうすれば改善出来るか、業務効率化を実現出来るかを考えます。まずは、ムダと思えるモノをやらないことにします。そして、既存業務の改善策を考えて行きますが、その考える指針はその業務を「IT」にやらせるか、「人間」にやらせるかを考えます。

 

手順②で使った例の中の、記入作業の作業項目での検討内容が、入力方法と入力内容の変更の検討と、リアルタイムで情報共有を行えるようになることです。検討内容を細分化すると、

 

記入(入力)→ 報告 → 共有

 

という流れになるでしょう。一つずつ人間とITどちらにやらせるかを考えます。

 

記入(入力)→人間。実際に記入や入力・選択といった操作をするのは人間。
報告    →人間、ITの両方。人間:口頭・電話。IT:メール・メッセージ。
共有    →IT。リアルタイムに複数人で共有すると考えると、人間には難しい。

 

と考えられます。人間が入力した内容が、ITで自動的に報告され、共有される状況が理想的だと言うことが分かります。それを手軽に実現する手段として、考えられるのはパソコンよりもスマホやタブレットになるでしょう。リアルタイムな情報共有の事を考えると、パソコンだと開く手間が面倒になりますし、バッテリーの心配も出てきます。スマホであれば、使用の手軽さが優れています。

 

なので、現実的な業務効率化の目標として「スマホアプリを使用して、リアルタイムな情報共有を行い、報告・連絡・相談を簡略化する」と設定できます。そのようなアプリが有るか無いかは別として(実際にはあります)、スマホで有れば実現出来そうだという考えに行き着けば良いと思います。そうすれば、アプリを探して業務に合ったものを導入することで改善されます。

 

人間がやるよりもITがやる方が速いというのが現実です。ITにやらせられることはITに任せることで、人間にしかできない本来集中して欲しい業務内容の時間を増やすことが出来るようになり、労働生産性を上げることができます。

 

・人間が行う作業についての補足

 

そうなると、問題は入力という人間が行う作業です。方法が変わるので、全員がそのアプリを使える用にしなければなりませんし、使わせなければ意味がありません。なので、マニュアル化行うことと、業務効率化の目的について説明する必要があるでしょう。

 

マニュアル化は使い方だけでは無く、実際の入力のタイミングなども指定すると良いかもしれません。

・客先訪問後、結果報告は電車移動中に入力する。
・客先訪問予定は追加、変更の度に入力する。
・営業部長は指示がある場合は読んだ時点で入力する。

といった感じでしょうか。

 

業務効率化の目的についての説明は、具体的に分かりやすくしましょう。ただ「営業日報は今後手書きじゃ無くてこのアプリを使って下さい」ではなく、「営業活動に集中する時間を増やすために営業日報の報告方法をこのアプリの使用に変更します」の方が受け入れやすいでしょう。また、アプリを導入する事でどのような利点があるかを説明すれば、なお受け入れやすいと思います。結果的に管理する側も営業活動に直結する指示を考える時間を増やすことが可能になり、効率が上がるということを説明しても良いかもしれません。

 

 

まとめ

 

 

業務効率化の最初の手順について3つのことを書きました。

手順1:自社の強み=利益を生み出しているポイントを再認識する

手順2:業務の見える化と見直しを行う

手順3:改善策を検討する

簡単な営業日報の報告業務について例を上げて書きましたが、そういった実際の作業についてだけで無く、部門、会社といっようにくくりを大きくしてもこの手順は使う事が出来ます

 

かなりのボリュームになってしまった気がしますが、なんとなく考えているだけでは実行可能な業務効率化のプランを立てることはほぼ不可能です。なぜなら、インターネット技術の発達により業務効率化を行う方法の選択肢が増えているため、適当に導入しても実際には労働生産性が下がってしまうこともあり得るからです。

 

インターネット技術が発達し、様々な業務効率化のための製品やサービスが提供されるようになっているからこそ、どこにどのように導入するかを考える事が今は必須です。とはいえ、この発達の恩恵を受けているからこそ選びやすいのも事実です。

 

それを可能にしているのが、手順③で出てきたスマートフォンの存在です。

 

今では子供からご高齢の方でもスマートフォンを使用しています。つまり、最先端の技術を誰でも手軽に使える状況が整っているのです。パソコン中心の頃には考えられなかった業務の行い方が選べるようになっています。

 

今回の記事の業務効率化の手順を行うだけで、スマートフォンを使用した業務効率化を計画する事ができます。パソコンを使えないと言っている人が普通にスマートフォンを使用しているので、そこを使わない手はありませんよね。

 

 


 

株式会社 東建工業-インターネット事業部-では、このようなご相談やお問い合わせも受け付けておりますので、気になる事があればお気軽にお問い合わせ下さい。

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